路線バスの障害者割引|手帳提示・介護者・ICカードの注意点

路線バスの障害者割引は、鉄道以上に地域や事業者による違いがあります。

普通運賃が半額になるバスが多くありますが、対象となる手帳、介護者の扱い、ICカードの使用方法は共通ではありません。高速バスや空港連絡バス、コミュニティバスが対象外になる場合もあります。

普通運賃は半額になる?

身体障害者手帳や療育手帳を提示すると、本人の普通運賃が5割引になる路線バスが多くあります。

ただし、10円未満の端数処理によって、実際の支払額が単純な半額にならない場合があります。

精神障害者保健福祉手帳については、全国のバス会社が同じ条件で割引しているわけではありません。本人のみ対象、介護者も対象、自治体が発行した手帳に限るなど、事業者によって条件が異なります。

介護者も割引になる?

第1種の身体障害者手帳や療育手帳などを持つ人と一緒に乗車する介護者は、1名まで普通運賃が割引になる場合があります。

ただし、次のような条件が設けられることがあります。

  • 本人と介護者が同じ区間を利用する
  • 本人と介護者が一緒に乗降する
  • 手帳に第1種の記載がある
  • 乗務員が介護者として認めた人に限る
  • 精神障害者保健福祉手帳では本人だけが対象

家族や友人が同行していても、すべての事業者で自動的に介護者割引が適用されるわけではありません。

手帳はいつ提示する?

手帳を提示するタイミングは、バスの乗降方式によって変わります。

後ろ乗り・前降りで運賃を後払いするバスでは、降車時に手帳を提示するのが一般的です。

前乗りで運賃を先払いするバスでは、乗車時に提示します。

分からない場合は、運賃を支払う前に乗務員へ手帳を見せて「障害者割引を利用します」と伝えてください。支払い後では運賃を修正できない場合があります。

現金で支払う場合

整理券を取る路線では、降車時に整理券と手帳を提示します。乗務員が割引後の金額を案内してから、現金を運賃箱へ入れます。

運賃表に表示された金額を自分で半分にして、先に投入しないほうが安全です。端数の扱いや割引対象が分からないためです。

釣り銭が出ない運賃箱も多いため、必要に応じて車内で両替します。

ICカードで支払う場合

通常の交通系ICカードをそのまま読み取り機へタッチすると、一般運賃が引き落とされる場合があります。

障害者割引を利用するときは、タッチする前に手帳を提示し、乗務員に申し出る必要がある路線があります。乗務員が運賃を割引額へ変更したあとにICカードをタッチします。

乗車時と降車時の両方でタッチする地域では、乗車時の処理方法も事業者によって異なります。

初めて利用するバスでは、乗車時に「障害者割引でICカードを使います」と伝えると確実です。

障害者用ICカード

一部の地域では、割引運賃が自動的に引き落とされる障害者用PASMOなどが発行されています。

対象となる手帳や利用できる交通機関、有効期限、本人用と介護者用の組み合わせなどが定められています。

障害者用ICカードが使える地域でも、すべてのバス路線で同じように利用できるとは限りません。高速バス、空港連絡バス、コミュニティバスなどでは対象外になることがあります。

ミライロIDは使える?

ミライロIDに対応しているバス会社もあります。

ただし、マイナポータルと連携済みのミライロIDに限る場合や、特定の路線だけに対応している場合があります。

通信障害やスマートフォンの電池切れに備え、手帳原本も携帯することをおすすめします。

精神障害者保健福祉手帳の注意点

精神障害者保健福祉手帳の割引は、特に地域差が大きい部分です。

次のような制度があります。

  • 全国の自治体が発行した手帳を対象とする
  • バスが走る都道府県で発行された手帳だけを対象とする
  • 写真付きの手帳だけを対象とする
  • 本人のみ半額
  • 本人と介護者が半額
  • 普通運賃は対象だが定期券は対象外
  • 市内路線は対象だが高速バスは対象外

ほかの地域で利用できたからといって、旅行先でも同じ条件になるとは限りません。

高速バス・空港連絡バス

路線バスで障害者割引を実施している会社でも、高速バスや空港連絡バスでは別の規則が使われます。

予約時に障害者運賃を選択する路線、窓口で手帳を提示する路線、乗車時に確認する路線などがあります。

共同運行便では、同じ路線でも予約先や運行会社によって案内が異なる場合があります。通常の路線バスとは分けて確認してください。

自治体の無料乗車証

自治体によっては、障害者手帳とは別に、地域内のバスや地下鉄を無料または割引で利用できる乗車証を発行しています。

無料乗車証を持っていても、対象地域の外や他社の路線では使用できない場合があります。

また、本人の無料乗車証だけでは、介護者の割引を受けられないことがあります。介護者の運賃については、手帳も提示できるようにしておくと安心です。

降車前のチェックリスト

路線バスを利用するときは、次の点を確認してください。

  • 自分の手帳が割引対象か
  • 本人の割引率
  • 介護者も対象になるか
  • 手帳を乗車時と降車時のどちらで見せるか
  • ICカードをタッチする前に申し出る必要があるか
  • ミライロIDに対応しているか
  • 高速バスや空港連絡バスではないか
  • 地域限定の条件がないか
  • 手帳原本を携帯しているか

公式情報を確認する

バス会社の公式サイトでは、「運賃」「乗車券」「障害者割引」「よくある質問」などのページに条件が掲載されています。

割引の案内が見つからない場合は、利用する路線名、手帳の種類、本人と介護者の人数を伝えて営業所へ確認してください。

当サイトではバス事業者ごとに割引情報を掲載していますが、利用直前には各事業者の公式情報も確認してください。